トレンド系のインジケーター
基本のトレンド系指標
FX(外国為替証拠金取引)では、過去の値動きを参考にして、今後の為替相場の動向を予測していきます。最も参考にされるのは「ローソク足チャート」です。陽線、陰線がどのくらい長いのか、ヒゲはどうなっているのか、窓は空いているのか、そういったここまでの推移から予測します。これをテクニカル分析と呼びます。
テクニカル分析では、メインチャートとなるローソク足チャートや、サブチャート画面にその他のインジケーター(Indicator)を表示させ、売買の絶好のタイミングを計ります。
海外のFX業者で日本人トレーダーからもっとも支持されている「XM」では、トレードプラットフォームが「MT4」や「MT5」になっていますので、初期設定で搭載されているインジケーターの他に、世界中で開発されているインジケーターをダウンロードして使用することが可能です。
軽く1000を超えるインジケーターがありますので、逆にどれを参考にすべきか悩むかもしれません。
テクニカル分析は大きく二つに分けられます。トレンドの強さを知るための「トレンド系のインジケーター」と、もみ合いのレンジ相場で効果を発揮する「オシレーター系のインジケーター」です。
トレンド系指標の基本は「移動平均線」になります。例えば、日足チャートで、短期線(5日線)と中期線(25日線)の2本を表示し、交わり方でトレンドを判断します。短期線が中期線を下から上抜けすると「ゴールデンクロス」で典型的な買いのサインです。短期線が中期線を上から下抜けした際は「デッドクロス」と呼び、売りのサインということです。
多くの投資家が売買のサインとして注目していますので、為替相場が大きく変動し、大きな利益を得るチャンスといえるでしょう。
数字が示す「TD sequential」
デフォルトのインジケーターで物足りない場合は、他からダウンロードしてカスタマイズすることになりますが、その中に「TD sequential」(TDシーケンシャル)というインジケーターがあります。トム・デマークさんが開発したもので、無料でダウンロードすることが可能です。
少し変わった表示方法になっており、それぞれのローソク足に数字が記されるのです。数字は1~13までで、「9」と表示された場合、反発する可能性が高くなります。「13」と表示されると、トレンド転換の可能性が高いので注意が必要です。
9だと外れることもありますが、13だと的中率は高くなります。ここは逆張りのチャンスです。ちなみにトレンドが発生していない場合はTD sequentialはほとんど機能しないので、オシレーター系のインジケーターと併せて利用していくのがいいでしょう。
12本の移動平均線「GMMA」
インジケーターの中には、なんと12本の移動平均線を表示するというものもあります。「GMMA」(Guppy Multi Moving Average)というインジケーターです。短期EMA(指数平滑移動平均線)6本と、長期EMA6本をまとめて表示します。
青が短期EMAで、(3.5.8.10.12.15)という期間です。赤が長期EMAで、(30.35.40.45.50.60)の期間で構成されています。
6本の幅が広い間は、トレンドは強い状態ですので順張りで問題ありません。ただし、それぞれの幅が狭くなってねじれてくると、トレンドの勢いが弱まっていることを示しています。
青と赤が交わると、トレンド転換のサインです。ポジションの整理をすべきですし、逆張りのエントリーのチャンスになります。
Daryl Guppy氏が開発したものが2色のGMMAなので、こちらが主流ですが、中にはより色分けして見やすくなっているインジケーターもあります。4色のGMMAになっても分析の仕方はまったく同じです。
オシレーター系のインジケーター
基本はレジスタンスラインとサポートライン
為替相場の80%は「レンジ相場」といわれています。狭い範囲の中で上下を繰り返すもみ合いの状態です。ここでは一定のラインまで為替レートが上昇すると反発し下落します。この抵抗線を「レジスタンスライン」と呼びます。下支えしている支持線は「サポートライン」と呼ばれています。この節目は世界中の投資家が意識していますので、ここに新規注文や損切り注文などが多く集まっているのです。
レンジ相場での買いのサイン、売りのサインがこのラインになります。ローソク足チャートですぐに確認することができるでしょう。レジスタンスラインに近づくと売りの新規注文を入れ、サポートラインに近づくと買いの新規注文を入れれば、為替レートが反発するのでその分だけ利益を得ることができます。つまり逆張りです。
ただし、このラインをブレークすると強いトレンドが発生する傾向があります。ヒゲだけ突き抜けている状態ではダマシの場合がありますので、陽線や陰線でブレークしたかどうかが重要です。ブレークした際は逆張りのポジションは速やかに決済し、順張りに切り替えていくのが得策です。
そしてまたトレンドが弱まってレンジ相場になると、レジスタンスラインとサポートラインで逆張りをしていきます。
節目を教えてくれる「Pivots」の有効活用
レンジ相場で効果を発揮するインジケーターをオシレーター系と呼びます。ポイントになるのは「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」です。サブチャートに表示される「ストキャスティクス」(Stochastics)や、「RSI」(Relative Strength Index)などは有名なオシレーター系の指標で、多くのトレーダーが愛用しています。
他にも世界中の多くのトレーダーが利用しているインジケーターに「Pivot」があります。RSIと同じJ・ウェルズ・ワイルダー氏が開発したもので、前日の値動き(高値・安値・終値)から当日の値動きの範囲を予測したものです。
6本の線で構成されており、上からR3(HBOP)、R2(第2レジスタンスライン)、R1(第1レジスタンスライン)、Pivotポイント、S1(第1サポートライン)、S2(第2サポートライン)、S3(LBOP)と呼びます。
使い方としては、Pivotポイントをブレークするまでは逆張りが有効です。R2に達したら売り注文を入れ、R1に達したら決済します。同じようにS2に達したら買い注文を入れ、S1に達したら決済するのです。
このとき、Pivotポイントをブレークすると強いトレンドが発生したことを示していますので、順張りに切り替えます。R1に達したら買いの注文を入れ、R2に達したら決済です。同じようにS1に達したら売りの注文を入れて、S2に達したら決済します。
Pivotはレンジ相場の際のレジスタンスラインやサポートラインだけではなく、トレンドが発生した際の売買の目安もわかるので便利です。投資家の心理的な節目にもなりやすいので、注目すると勝率が上がるでしょう。
Pivotについては、前日の値動きから予測しているので、短期間の取り引き(スキャルピングやデイトレード)に効果的です。
XMで有効なインジケーターを基礎知識から紹介のまとめ
有名なインジケーターは試しに使ってみるのがいいのではないでしょうか。そうすれば自分のトレードに合っているのか、合っていないのかを確認することができます。合っていないのであれば無理に使い続ける必要はありません。
一方で有名で愛用者の多いインジケーターが導くラインが、節目になりやすいのは確かです。節目がわかるだけでもFXの勝率は大きく変わります。ここは意識していくべきです。
ちなみにどんなに素晴らしいインジケーターであっても100%当たるということはありません。逆に有料のインジケーターで、これを使えば必ず勝てるといった広告を出しているものは疑うべきでしょう。
また、地政学リスクや政治的なサプライズで急騰、暴落し、テクニカル分析がまったく通用しない場合もありますので、日頃から政治や経済の情報には敏感になっておく必要があります。