bitwallet経由でのXMとの取り引き

bitwalletのメリット

超ハイレバレッジでFX(外国為替証拠金取引)ができるということで、日本人トレーダーから圧倒的な支持を受けている海外FX業者の「XM」では、入金、出金について様々な経路が用意されています。特にクレジットカードが利用でき、それによってポイントが付与されるといった点が国内FXとの大きな違いです。

その中で、XMでFXをしているトレーダーに人気だったのが、電子決済サービスである「bitwallet」です。bitwalletを利用すればVISAカード以外のクレジットでの入金も可能になります(VISA以外でもJCBカードも入金は対応していますが、出金には対応していません)。

さらにbitwalletは、クレジットカードで入金して利益が出た分の出金にも対応しており、手数料はいくら出金しても824円とコストを抑えることができました。出金できるまでの期間も2~3日と早く、何かとメリットが多かったのです(ちなみにbitwalletはMT4のJPY口座にのみ対応しています)。

ですから利益分はbitwalletを利用しているトレーダーが多くいました。メリットを考慮すれば当然の話です。これ以上に手数料を抑えて出金する手段は他にないのです。

そのbitwalletが、突如XMで利益分の出金ができない事態になりました。2019年4月に入ってからのことです。XMやbitwalletからの公式発表ではなく、トレーダーのtwitterが情報源となっています。その後、多くのトレーダーがXMに問い合わせをしていますが、bitwalletで利益分を出金できないことに間違いはないようです。

ニュースレターによる案内や告知は予定されておらず、正式な発表も予定されていないようです。あまりに突発的な出来事でXMのトレーダーも驚きを隠せません。

AXIORYとbitwallet提携解除との相違

この話を聞いて真っ先に思い出されるのが、やはり突然の出来事だった、海外FX業者の大手「AXIORY」とbitwalletの業務提携解消です。2019年2月に発生しています。こちらのソースはbitwallet側のニュースレターで、内容はAXIORYの経営への不審に満ちたものでしたから、トレーダーは敏感に反応し、AXIORYからの出金が相次ぎました。

bitwallet絡みのサプライズとしてはこれで連発ということになりますが、AXIORYとXMの事態での決定的な違いは、「AXIORYでは完全にbitwalletの利用ができなくなってしまったが、XMでは利益分の出金だけ制限された」ということです。

つまりbitwalletで入金したり、入金額までならbitwalletで出金できるということになります。完全に利用できなくなったわけではないので、やや安堵しているXMトレーダーが多いのではないでしょうか。

しかし、公式発表がないのは妙です。突然出金できなくなるという事態も異常といえます。何らかの問題がXMとbitwalletの間であったことは確かでしょう。金融庁の圧力がかかったためとも推測されます。

もしかすると今後は、AXIORYのように、bitwalletが完全に利用できなく可能性もあります。そうなればさすがに公式の発表はあるでしょう。現時点では推測の域を脱しえません。

XMの今後の出金方法について

AML規制の再確認

今後の問題は、では利益分の出金をどうしていくのかということです。bitwalletですら、利益分はbitwalletで出金できなくなってしまったのです。

出金については、AML(アンチマネーロンダリング)規制を再確認しておく必要があるでしょう。出金は、あくまでも入金と同じ経路を辿らなけれなならないという規制です。クレジットカードで入金した分は、入金分まではクレジットカードで出金し、それ以外の利益分は別の出金方法を選択しなければなりません。その点では、クレジットカードもbitcoinもbitwalletも同じ条件になったということです。

利益分の出金方法として以前は「i-Account」というオンライン決済サイトが利用できました。出金にかかる期間は3~5日ほどで、入金・出金ともにbitwalletの方がお得ではありましましたが、bitwalletが利用できなくなってしまった今となっては、わずかに残った出金方法だったのですが、2019年5月時点、XMではi-Accountはもう取り扱っていないとのことです。

そうなると利益分の出金方法は2通りしか選択肢はありません。ひとつは、XMが2018年12月から導入した「STICPAY」という電子決済サービスです。ただしこちらはSTICPAYでの入金の履歴がなければ出金には利用できません。最低入金額は500円からです。こちらも出金に関してはbitwalletと比較すると分が悪く、STICPAYから国内銀行に出金する際には「800円+出金額の1.5%」が手数料としてかかります。

AXIORYもbitwalletとの業務提携を解消してSTICPAYに移行しており、もしかするとbitwalletとSTICPAYによる覇権争いが裏で繰り広げられているのかもしれません。だとするとbitwalletはやや劣勢ということでしょうか。勢いだけではなく、STICPAYのサービスがより改善され、bitwallet以上のものを提供できるようになるのであれば、トレーダーとしてはまったく問題のない話になります。むしろ競争によってサービスが向上するのであれば、トレーダーにとってはメリットといえるでしょう。

手数料が最も安いのは海外銀行送金か

利益を出金する際に、もうひとつわかりやすい方法があります。それが「海外送金」です。出金する金額にもよりますが、bitwalletが利用できないため、こちらが最もコストを抑えられる方法となりました。

ただし国内銀行によっては対応していないケースがあったり、手数料もバラバラです。ソニー銀行や住信SBI銀行であれば2,500円ほどに抑えることができますし、住信SBI銀行だと電話連絡なども手間もありません。

逆に銀行によっては4,000~6,000円ほどかかるうえ、2万円未満の出金については別途3,000円の手数料が発生しますので、少額の出金であればほとんど手数料で持っていかれてしまってほとんど手元に残りませんので注意してください。最低でも2万円以上、できるだけ手数料を抑えられる銀行を選択しましょう。

こうなると、bitwalletの使い勝手の良さが、今更ながら光ります。ただし、XMのサポートデスクによるとこの決定が変更されることはないと断言していますので、bitwalletによる利益の出金は完全に諦めた方がよさそうです。

他の海外の大手FX業者でもbitwalletを採用しているところが多いですが、AXIORY、XMを皮切りにbitwallet離れが加速していく可能性もあります。出金にあまりコストをかけたくないトレーダーとしては、はやく海外送金以上に安く抑えることのできる方法が提供されてほしいところです。