為替ニュース一覧


10月23日から10月27日の為替ニュースについてまとめています。

カタルーニャ独立問題について

カタルーニャ州の独立を巡る問題で、スペイン中央政府が上院での審議を経て27日には同州の自治権停止とプチデモン首相の解任を採決する構えの中、同自治州議会は27日夜、一方的な独立に関する議案を賛成多数で可決し、スペインからの独立を宣言しました。

これを受けてラホイ首相はテレビ演説で、プチデモン州首相をはじめとする閣僚の罷免と同時に同州議会を解散したことを発表した上で、今年12月21日に州議会選挙を実施することを明らかにしました。市場ではこのことが材料視され、ユーロが1.6000ドルの大台を割り込む場面がありました。

またスペイン検察は来週、プチデモン州首相を反乱罪の容疑で訴追する方針を示しており、裁判所が正式に起訴をして有罪になった場合は最長で禁錮30年が科せられるとされています。

FRB議長後任人事について

FRB議長後任人事に関してトランプ大統領は24日に行われた会合で、誰が次期FRB議長にふさわしいか挙手投票を求めたことが分かりました。
会合に出席していたスコット上院議員が「支持者が一番多かったのはテイラー氏だと思われる」とコメントしたことを受けて、市場ではタカ派のテイラー氏が優勢だという見方が広まりドル円は一時113.90円付近まで、ユーロドルは1.17台後半まで上昇する場面がありました。

ドルは対ユーロで大きく上昇し一時7月20日以来の高値まで買われましたが、その後トランプ大統領はタカ派のテイラー氏よりハト派のパウエル氏に傾いているとの報道によりドル売りが強まり、ドル円は113.65付近まで下落しました。

日)衆議院議員選について

22日に行われた総選挙で、与党が全体の3分の2の317議席を上回る326議席を獲得して大勝したことを受けて、アベノミクス加速への期待感で円売りが優勢となり、ドル円は一時3か月ぶりの高値となる114.10付近まで上昇しました。
またその他の対円通貨ペアではユーロ円が134.04円、ポンド円が150.18円、豪ドル円が89.10円、NZドル円が79.32円まで買われました。

カタルーニャ独立問題やニュージーランドの政権交代など世界政治が荒れている中で与党が圧勝したことが安心感を誘ったことでリスク選好のムードが高まり、円安に繋がっているとみられます。

米)FOMC政策金利について

ECBは日本時間の26日20時45分、政策金利の据え置きを発表しました。
また市場の予想通りQEの縮小として来年1月から月間の債券購入額を300億ユーロ(約4兆円)に減額し、少なくとも9月まで継続することを明らかにしました。これを受けて市場はユーロ売りに反応し、ユーロドルは1.16台半ばまで下落、さらにユーロが対円で1カ月ぶりの大幅安となるなどユーロが急落する動きとなりました。

またドラギ総裁は定例理事会後の会見で「QEを突然終了することはない」と強調し、会見終了後には1ユーロ=1.1707ドルまで値下がりしました。

米)第3四半期GDP速報値について

日本時間の10月27日21時30分に発表された米)7-9月期GDP速報値は予想の+2.6%を上回り、前期比年率+3.0%となりました。

米)7-9月期GDP速報値

▼米)7-9月期GDP速報値

前回+3.1% 予想+2.6% 前期比年率+3.0%

懸念されていた大型ハリケーン「ハービー」と「イルマ」が経済成長に与える影響は最小限に留まり、米経済成長が堅調な地合いを維持していることが示されました。

米)7-9月期の個人消費は前期比+2.4%と、前期(4-6月期)の+3.3%から鈍化したものの、予想の+2.1%を上回り堅調さを維持しました。
また価格指数が昨年4-6月期以降最高の前期比+2.2%となったことを好感して、ドル円は114.45に上昇、ユーロドルは1.1588まで下落し、米10年債利回りは2.46%付近での推移となりました。

英)第3四半期GDP速報値について

日本時間の10月25日17時30分に発表された英)7-9月期GDP速報値の前年比は予想通り+1.5%、前期比は予想の+0.3%を上回り+0.4%となりました。

英)7-9月期GDP速報値

▼英)7-9月期GDP速報値(前年比)

前回+1.5% 予想+1.5% 前年比+1.5%

▼英)7-9月期GDP速報値(前期比)

前回+0.3% 予想+0.3% 前期比+0.4%

▼英)7-9月期GDP速報値内訳(前期比)

サービス業+0.4%

製造業+1.0%

建設業-0.7%

ロンドン市場では予想を上回ったことを好感してポンド円が149台半ばから151台乗せ、ポンドドルが100ポイント超えるなどポンドが急上昇しました。
この結果を受けて市場では、英中央銀行が11月に利上げするとの見方が強まる可能性が高いとみられています。