為替ニュース一覧
10月2日から10月6日の為替ニュースについてまとめています。
米)9月雇用統計について
日本時間の10月6日21時30分に米)9月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均時給)が発表され、結果は以下の通りとなりました。
米)9月雇用統計
▼非農業部門雇用者数
前回 改訂+16.9万人 予想+8.0万人 結果-3.3万人
▼失業率
前回4.4% 予想4.4% 結果4.2%
▼平均時給(前月比)
前回 改訂+0.2% 予想+0.3% 結果+0.5%
8月25日にテキサス南東部に「ハービー」が上陸したことや9月10日にフロリダ州に「イルマ」が上陸したことによる経済損失は合わせて約2900億ドルに上るとされており、今回の米)9月雇用統計への影響が懸念されていました。
非農業部門雇用者数は-3.3万人と、予想の+8.0万人を大幅に下回る結果となりましたが、ハリケーンの影響によるものだとされ市場の反応は冷静でした。
失業率は前回の4.4%から4.2%に低下(2001年3月以来)、平均時給は前月比+0.5%、労働参加率は62.9%から63.1%へ上昇(2014年3月以来)、平均時給はハリケーンの影響を受けて高所得者の労働時間が増えたことにより賃金が上がり、更に低賃金層が減少したことで前月比+0.5%など予想外の結果が見られ、ドル買いの材料となりました。
しかしニューヨーク市場においてドル円は112.92円から一時113.40円付近まで高値を更新しましたが、その後は北朝鮮のミサイル発射が警戒されたことによりドル円は失速する形となりました。
カタルーニャ独立問題について
1日に中央政府の反対を押し切って行われたカタルーニャ州独立の是非を問う住民投票で、投票者の約9割が独立に賛成したことがユーロ相場での売り材料となり、日本時間の10月2日17時19分の時点でユーロ円は133.07円まで上昇した後132.62円まで下落し、ユーロドルは1.1815ドルから1.1735ドルまで下落しました。
しかし3日の欧米市場でユーロドルは1.1696ドルまで下落したものの1.1774ドルまで反発し、カタルーニャ州独立問題による売り材料は消化された形となりました。
独立賛成派が9割だったのにも関わらず市場の反応が冷静だったのは、多くの市場参加者によってカタルーニャ州はユーロが利用出来なくなることやスペイン企業がカタルーニャ州から撤退することによる失業者の増加を懸念して、このまま独立を強行することはないだろうと考えられているからだといえます。
またプチデモン州首相は当初、賛成多数だった場合は48時間以内に独立宣言を行うと発表しており、発表通り10月4日に独立宣言が行われる予定でしたが、開票作業の遅れや憲法裁判所からの差し止めを受けて独立宣言を延期しました。
米)9月ISM製造業景況指数について
日本時間の10月2日23時00分、米)9月ISM製造業景況指数が発表され、60.8%と予想の58.1%を上回り2004年5月以来の高水準となりました。
それぞれの項目毎の結果は以下の通りとなります。
新規受注指数 | 生産 | 雇用 | 入荷遅延 | 在庫 | |
---|---|---|---|---|---|
前回 | 60.3 | 61.0 | 59.9 | 57.1 | 55.5 |
今回 | 64.6 | 62.2 | 60.3 | 64.4 | 52.5 |
入荷遅延の指数が上昇していますが、これは大型ハリケーンの「ハービー」と「イルマ」の被害による影響を受けて配給網が阻害されたことによるものだとみられています。
今回のISM製造業景況指数では大型ハリケーンによる影響が懸念されていましたが、新規受注や入荷遅延のポイント上昇率の高さなどから米製造業が好調であることが示されました。
またこの結果を受けてニューヨーク市場ではドル買いが優勢となり、一時113円台となりましたが上値は重くその後は112.60円付近での推移となりました。
FRB議長後任人事について
9月29日、トランプ大統領はこれまでに次期連邦準備理事会(FRB)議長候補者と4回面談を行ったことを明らかにした上で、「今後2、3週間で決断を下す」と発言していました。
次期連邦準備理事会(FRB)議長の各候補者と金融政策に対するスタンスは以下の通りです。
候補者 | 金融政策に対するスタンス |
---|---|
イエレン現FRB議長 | かなりハト派だがタカ派になる可能性もある |
コーン国家経済会議(NEC)委員長 | イエレン氏と同程度にハト派である可能性が高い |
パウエル現FRB理事 | 金融政策において中立的とされる |
ウォーシュ元FRB理事 | 候補者の中で最もタカ派の部類に属する |
10月2日、トランプ大統領がタカ派で知られているウォルシュ元FRB理事と会合し、イエレンFRB議長の後任人事について協議したと報じられたことがドル買いの材料となりました。
トランプ大統領は金融緩和によるアメリカ経済の活性化を目的としているためイエレン議長再指名するとの見方が強く、有力候補としてウォルシュ氏の名前が挙がったことはサプライズとなりました。
また10月3日には「ムニューシン財務長官がパウエル現FRB理事を支持」との報道が売り材料となり、ドル円が113円台から112円台後半へと下落し、ユーロドルは一時1.1770近辺まで反発するなどFRB次期議長候補選びが本格化するにつれ、市場の反応も次第に大きくなってきています。
日銀短観(第3四半期)について
日本時間の10月2日8時50分、日銀短観(第3四半期)が発表されました。
▼大企業製造業(業況判断)
前回17 予想18 結果22
▼大企業製造業(先行き)
前回15 予想16 結果19
▼大企業非製造業(業況判断)
前回23 予想21 結果23
▼大企業非製造業(先行き)
前回18 予想21 結果19
▼大企業全産業(設備投資)
前回8.0% 予想8.4% 結果7.7%
大企業製造業のDI(業況判断指数)は+22と予想の+17を上回りプラス材料となったものの、ドル円は112.67付近での小動きと、動意に乏しい展開となりました。