海外FXに入金するのには国内業者と同様にほぼリアルタイム入金となるクレジットカードやデビットカードの利用が非常に便利になるわけですが、業者側がVISAカードが利用できるとしていても、国内では使えないVISAカードというものが存在してしまうのです。
提携先銀行が利用を止めるので厄介
たとえば国内での個人投資家が非常に多く利用しているXMではVISAのクレジットなりデビットカードでリアルタイムに入金ができるようになっているわけですが、実際にはうまく利用できないカードが存在します。
これはXMのせいでもVISAカードのせいでもなく発行元の銀行が止めているケースがあるからこうして事態が起きることになるわけです。
たとえば楽天のVISAカードやジャパンネット銀行のVISAカードはクレジットでもデビットでもXMの告知どおり利用が可能になりますが、ソニーのVISAデビットや住信sbiネット銀行の発行しているVISAカードはデビットでもまったく入金ができません。実際にやってみますとなぜ入金ができないのかの理由すら開示されませんから、実に不思議に思うわけですがこれは提携先の銀行のほうがあえてXMでの利用を止めていることが原因となります。
これは個別の金融機関が国内の金融庁に気を使ってそうした行動をしているのではないかとされていますが、要するに金融庁としては海外の業者に資金を持ち出してFXを行うことを収益の税収獲得の面から酷く嫌っており、同庁のホームページでも国内でライセンスを持っていないためまるで違法業者であるかのようなリスクの高い業者リストとして公開していることから本邦の銀行もそれに配慮するように利用と止めているのが大きな理由のようです。
実際に金融庁から各行に具体的なプレッシャーがかかっているのかどうかはまったくわかりませんが、昔から日本の横並びの金融行政の世界ではよく見られた光景ともいえるわけです。
したがって提携先銀行が海外FX業者にどういう姿勢をとっているのかを知ることは非常に重要になります。
金融庁は過去にもマスターカードのデビットカード利用を潰した経緯も
金融庁は実際国内でマスターカードのデビットカードの利用にプレッシャーをかけてマスターカードが日本でのデビットカードビジネスから撤退することになり、これにともなってネッテラーのマスターカードデビットもXMが独自に顧客に発行していたマスターカードデビットもまったく使えなくなり、ネッテラーは日本からの事業を撤退するというところまで追い込まれたケースもあります。
最近では国内発行ではありませんが、iAccountやSTICKPAYなどで無記名のマスターカードデビットが発行されて国内でも利用できるようになっていますが、こちらについても遠くない将来金融庁が何らかの潰しにかかることが危惧されるところです。
FXというのは為替の通貨ペアの上昇・下落を扱って利益を上げる投資法であるわけですが、国内から海外、海外から国内へできるだけ安く資金を移動させる方法というのは意外に少なく、仮想通貨もかなりの種類のものが発行されていますが、決済にまともに使えるものは殆どないのが現状です。このあたりに時間がかからずコストも安い送金・決済方法が導入されることになれば海外FXの利用もより効率的になることが期待されるところです。
足元ではbitwalletのように海外業者の直面するこうした問題に対応するオンラインウォレットサービスも登場していますが、XMでは入金分までしか出金できないような独自の規制をかけてしまい、かなり残念な状況となっています。クレジットカードよりもさらに便利なサービスが導入されることを願いたい状況といえます。