ESMA規制によるオフショア市場へのシフト

オフショア市場とは

2018年になり「欧州証券市場監査局」(ESMA)が、欧州のリテールブローカーに対する規制を発表したことによって、リテールブローカーは次々に拠点を欧州の枠組みからオフショア市場へシフトしています。なぜでしょうか?

2018年8月より実施された欧州ESMA規制では、FX(外国為替証拠金取引)のレバレッジが主要通貨ペアで30倍、他の通貨では20倍まで抑えられることになり、これまでの500倍を超えるような超ハイレバレッジでの取り引きができなくなってしまったのです。これではFXの魅力が半減してしまいます。これまでの顧客が離れていってしまうことを防ぐため、拠点をオフショア市場にシフトせざるを得ませんでした。

オフショア市場とは、世界中に点在しており、金融に関する規制が緩く、「タックスヘイブン」(租税回避地)とも呼ばれる市場で、多くのFX業者、金融機関が集まっています。イギリスや香港、シンガポールが有名です。

海外FX業者の大手である「TitanFX」がオフショア市場のひとつである「バヌアツ」のライセンスを所得したのもそういった経緯からです。他にも「ActivTrades」や「FxPro」は「バハマ」でライセンスを所得しています。

ただし、オフショア市場は行き過ぎた節税や、マネーロンダリングの舞台となっていることが指摘され、各国からかなり厳しい目を向けられています。

バヌアツやベリーズの規制も強化

そんな中で2019年3月になり、バヌアツ共和国金融庁も、リテールブローカー向けの規制を強化することを発表しました。

より強固なコーポレートガバナンス体制を構築していくことや、金融庁の賠償責任保険に加入すること、バヌアツ出身者の取締役を増やしていくことなど、増加するリテールブローカーを管理する仕組み作りを進めています。

ちなみにオフショア市場としてバヌアツと同じように人気のあった「ベリーズ」は、2016年からすでに規制強化を始めており、必要資本金を10万ドルから50万ドルに引き上げ、金融監督局に毎年支払う額も5,000ドルから25,000ドルに大幅に引き上げました。さらに新規のライセンスをここ1年間以上発効していません。バヌアツ同様、他国の金融局の圧力の影響が大きいと考えられています。

欧州と違い、ハイレバレッジを認めているオーストラリアから、オフショア市場にシフトするリテールブローカーはほとんどありません。だからこそ、オーストラリアの監督局が率先して規制強化を打ち出しています。ブローカーには、国外の新規顧客に対してサービスを行う場合、該当する地域のライセンスを保有することを求めています。

リテールブローカーにしてみると、これまでのように自由に活動できる環境ではなくなってきているのです。そして、それは国単位による規制だけでなく、民間企業によるグローバルな規制に広がってきています。

民間企業による規制強化

Google、Facebook、Twitterも規制強化に協力

金融取り引きの透明性と投資家保護を目的とした「第二次金融商品市場指令」や「ESMA規制」に同調するようにFacebook、Twitter、Googleが、リテールブローカーの規制強化を始めていきます。こちらはリテールブローカーの広告掲載について厳格にしていくという処置です。

世界最大の検索エンジンを持つGoogleでは2018年4月から投機金融商品の広告掲載については、承認申請を受付しています。今後は、当然のことながらAdwordsポリシーを遵守しなければサイトを掲載することができません。ライディングページはすべてチェックされ、厳格な審査基準を満たすことができない場合は、広告コンテンツを掲載することができないのです。

実際にGoogle は2019年3月に入り、23万に及ぶサイト運営者をGoogle配信ネットワークから排除しています。これはFXに限らず、CFDや仮想通貨、バイナリーオプションなどに及びますが、仮想通貨については2018年6月より広告の掲載禁止をすでに発表していました。

リテールブローカーを取り巻く環境は益々厳しさを増していくわけですが、さらにその規制に同調したのが、大手のクレジットカード会社です。

VISAやMasterCardの無許可ブローカーへの規制強化

オフショア市場の無許可ブローカーに対して、明確な姿勢を打ち出したのがまず「MasterCard」です。2018年5月に、無許可ブローカーに対してサービスを停止することを発表しました。すると、VISAもMasterCardに追随するように、無許可ブローカーの取締を強化することを発表しています。

これによりオフショア市場にある無許可ブローカーは、決済サービスプロバイダーを利用したサービスを提供できない事態になったのです。アメリカやEUといった厳格な規制外にある無許可のブローカーは、カード決済能力が低下、カード入出金処理のコストが膨らむこととなりました。オフィショア市場への強烈な圧力です。ESMA規制をはじめとした世界的な規制強化の流れに、GoogleやVISAといった大企業が協力するという図式が完成したのです。

オフショア市場ではないものの、規制の緩かった「ベラルーシ」は完全にMasterCardやVISAに目を付けられている状態です。もともとはリテールブローカーは、ベラルーシの法律を守っていれば問題なく営業できていたのですが、MasterCardやVISAは国外の顧客に対しサービスを行う場合、それを許可した証明の提出を求めています。そのためベラルーシに拠点をもつリテールブローカーは1ヶ月以上もの間、カードの利用を停止しています。手段としては別に海外送金がありますが、手数料が高く、入金にも時間がかかるため顧客離れが深刻化しています。そのため海外送金の手数料を負担するリテールブローカーも登場しているほどです。

海外のFX業者を利用する場合、単純にレバレッジやスプレッドに注目するのではなく、健全なサービスを今後も持続できるのかどうかをしっかり見極める必要があるでしょう。財政基盤の小さな小規模ブローカーにとってはかなり厳しい局面を迎えています。コンプライアンス遵守のために経営存続に危機感を抱いているブローカーも少なくありません。突発的なサービスの停止などでトラブルに巻き込まれることのないよう、海外FXを行っていく際には、信頼できるリテールブローカーを選んで取り引きをしていくべきでしょう。

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