海外FX業者のほとんどはMT4やMT5を売買プラットフォームとして利用していますが、このMT4やMT5を既存の発想とは全く違うやり方で使いこなす方法が存在しているのをご存知でしょうか。それがコピートレードというものです。国内の業者で取引をしていますとコピートレードというのは相当ハードルの高いものでほとんど試してみることもできないわけですが、MT4を利用すれば簡単に体験することができるようになるのです。

MT4を開発しているメタクオーツ社では専用のコミュニティを運営することでコピートレードを簡単に行うことができるサービスを進めています。

MQL5ってなんだ?

MQL5とはMetaQuotes Language 5の略でありMT4を開発したMetaQuotes Software Corpにより独自のプラットフォーム開発のためにつくられた言語です。金融取引を自動化するテクニカル指標、売買ロボットやユーティリティアプリケーションを開発するために設計された高レベル言語 となっているのがその特徴で、MT4を高度に利用することができる極めて重要なツールとなっているのです。

このMQL5にはコミュニティが存在します。https://www.mql5.com/

一般のユーザーでもそこに登録するだけで利用しているMT4に様々なサービスをリンクさせることができるという秀逸な機能が提供されているのです。MQL5.communityはMT4ユーザーが自由に登録できるコミュニティです。実は登録しなくてもインジケーターや無料EAなどを入手閲覧することができますが、その機能を十分に発揮するためにはやはり登録がおすすめとなります。MQL5.communityは開発先のメタクォーツ社が直接運営しており、MT4公式サイトになっているもので、2015年からは日本語対応のサイトが登場したことから国内のMT4ユーザーにもかなり使いやすいサイトとなってきており、利用者も徐々に増加中です。

MT4はシェアウエアであり、FXのみならずCFDにも利用されていることから利用業者は600社を超えており、4000万人以上のアクティブユーザーを抱えていることからこうしたコミュニティも活発に稼働している状況にあります。

MQL5コミュニティには、過去1か月間にわたりパフォーマンスを検証された提供者からの膨大な量の取引シグナルが用意されていますので選択するのに困るほどですが、その位様々な有益情報が提供されていることがわかります。

MQL5のシグナル配信利用によるコピートレードとは

MT4はもともとシグナル機能がソフトウエア自体に実装されておりユーザー同士をマッチングさせコピートレードを実現させることが最初から設計された内容になっています。このシグナルは月額料金制の有償のものと無料のものが設定されています。

支払いにはさまざまな手段が選択可能ですが、クレジットカードかPayPalが国内からの利用には手軽です。このコミュニティから登録して発信されるシグナルには海外FX業者の利用料やコミッションなどの上乗せは一切発生しない固定料金ですから安心して利用可能ですが手数料なしの成功報酬型となっていますから、いくつも登録してしまいますとコストが大きくなりますので注意深く登録することが必要です。

MT4のアカウントさえあればすぐに利用可能

このシグナルはMT4に対応している海外FX業者のアカウントさえあればすぐに利用を開始することができます。シグナル利用にあたってはEAの稼働のようにVPSは必ずしも必要にはなりませんが、シグナルをコピーするには当然MT4を常時起動させておく必要があります。実際にシグナルベースのコピートレードを行うのであれば、安定稼働は必須でVPSを使うのがより安全といえます。

また配信されるシグナルにはMT4用とMT5用がありますのでそれだけは選択を誤らないようにすることが重要です。

ストップロスや決済指値もコピー可能

MQL5コミュニティでシグナルサービスの使用条件に同意するとリアルタイムシグナル購読を有効にすることでコピートレードを即座に始めることが可能です。逆にコピートレードを一旦中止したい場合にはリアルタイムシグナル購読のチェックを外すことで中止させることができます。コピートレードの場合実際にトレードしているトレーダーに損切りからリカクまですべてをお任せすることも可能ですが、逆指値決済と決済についてはコピーせずに独自設定することもできます。たとえば配信する側が一般的に30PIPSで逆指値を置いている場合には先に15PIPSでリアルなトレーダーよりも先に決済するといったことは可能になるわけです。損切についてはとくにこうした自己設定をしたくなる部分が多いと思いますが、リアルトレーダー自体が先に決済してしまいますといくら自ら設定しても関係なく決済されることだけは注意が必要です。

コピートレードで最大の問題は証拠金使用率

こうしたコピートレードでもっとも重要になるのが証拠金の何パーセントをコピートレードに充当するかといった問題です。取引は設定金額÷シグナル配信するトレーダー側の残高×100がロット数となります。この割り当てはできることならシグナルを配信するトレーダー側と完全に同条件設定が望ましくなります。例えばシグナル配信側が100万円の証拠金をもっていてそのうち10万通貨の注文を出す場合には、コピートレードをするこちらは最大証拠金使用率を10%にすると発注も10%の1万通貨となるのがこの仕組みです。こうなるとシグナルコピートレードは実現しますが、リアルなトレードをしている人間と同じだけの利益を確保できないことになります。また証拠金額が違うのに同じ設定で取引した場合には先に証拠金が枯渇するといったリスクも生じることになるので注意が必要です。

ただ、有効証拠金をあらかじめ設定して下回れば自動的にコピートレードを中止することもできますので、すべてがリスキーというわけではありません。

トレードの達人のコピートレードをすれば爆発的な利益がでることを夢見ることができますが、すべてがうまくいくわけではないのもまた事実で、過剰に期待しすぎないことと、所詮人任せですからあまり大きな証拠金でお任せにしないという工夫も必要になりそうです。すべては利用者の自己責任ですが、自分で行う裁量取引とは違う選択肢があるということだけは理解しておくといいのではないでしょうか。