為替ニュース一覧


12月18日から12月22日の為替ニュースについてまとめています。

米)税制改革法案について

19日午後、米議会下院は米税制改革法案の最終案を賛成227票・反対203票の賛成多数で可決しました。
しかし可決後、バーニー・サンダース上院議員によってホームスクーリングへの教育貯蓄口座の利用や私立大学の基金に関する3つの条項が上院の規則に違反していると指摘され、修正された法案が米上院議会で可決した後、20日に米下院での再可決が必要となっていました。

法案修正後、米議会上院は20日未明に賛成51票・反対48票の賛成多数で可決しました。
同法案の可決について態度を保留していたコリンズ、リー両上院共和党議員が19日に支持を表明していたため、「法案が今週中に上下両院で可決するだろう」との公算通りの結果となりました。これを受けて米上院での税制改革法案成立を背景にドル円は113.07円まで上昇。

また同日米議会下院で再可決された同法案はトランプ大統領に送られた後、1月19日までのつなぎの暫定予算案と共に22日午前にホワイトハウスでトランプ大統領によって署名されましたが、織り込み済みだったため特に反応は見られませんでした。
同法案は法人税率を現行の35%から21%へ引き下げることを盛り込んでおり、1986年にレーガン共和党大統領が大型減税を実施して以来、約30年振りの大幅な税制改革となります。
またつなぎ予算は21日に米上下両院で可決されており、トランプ大統領の署名によりつなぎ予算が成立したことで2018年1月19日まで政府機関の閉鎖が回避されました。

英)閣僚辞任について


デイミアン・グリーン氏は20日、2008年事務所で使用しているパソコンにポルノ画像の所持疑惑やセクハラ疑惑を巡る問題で、不正確で誤解を招く発言があったとして辞任しました。

疑惑が持ち上がった際、同氏は疑惑を否定していましたが、警察の捜査によりパソコン内から大量のポルノ画像が発見されたことで、不正確な発言は大臣規範に違反するとし、メイ首相が辞任を求めたことを受けて同氏が辞表を提出する流れとなりました。

過去2か月間でメイ政権を去った閣僚は今回で3人目となる上、同氏はメイ首相の側近の一人であり、英政権ナンバー2のポストであったことからEU離脱交渉への影響が懸念されています。

南ア)アフリカ民族会議(ANC)党首選について

18日、南アフリカ与党のアフリカ民族会議(ANC)の党首選が実施され、ラマポーザ氏がズマ大統領の元妻であるドラミニズマ氏の2261票を僅かに上回る2440票を獲得して勝利しました。

ANCはアパルトヘイト(人種隔離)政策を廃止に導いた政党で、1994年に選挙で勝利して以来政権を担ってきましたが、ズマ政権下で相次いだ汚職や昨年の経済成長率0.28%といった経済低迷により政権支持率は低下していました。

ラマポーザ氏は選挙期間中に与党内の腐敗を一掃し、経済成長に尽力することを表明しており、改革への期待が高まるなか南アランドは対円で一時9.05円まで急上昇する場面が見られました。

大統領の3選禁止規制に従い、ズマ大統領は次期大統領選に出馬することは出来ない上に、ANCが国民議会400議席のうち約250議席を占めていることからラマポーザ氏が次期大統領に就任する可能性は高いとみられています。
ズマ大統領の任期である2019年までは同氏とラマポーザ議長による双頭体制が続くことになります。

カタルーニャ独立問題について

21日カタルーニャ自治州で実施された州議会選挙で、独立賛成派であるカタルーニャのための連合(JxCat)・カタルーニャ共和主義左派(ERC)・人民連合党(CUP)の3党が全135議席中70議席を確保したと報じられました。

これを受けて今後さらに中央政府との対立が深まる可能性が浮上し、ユーロはほぼ全面安となりました。
選挙結果を受けてプッチダモン氏はカタルーニャ共和国が勝利し、スペイン国家は敗れたと述べましたが、独立への道のりは険しくなることが予想されています。

TariTalilogo