1月10日、GEMFOREXは口座開設をした全ユーザーに対してレイテンシートレーディング全面禁止の通達を行っています。このトレード禁止についてはもともと規約の中にもしっかり盛り込まれているものですが、改めて禁止の告知をしたということはそうしたトレードを行うユーザーが存在することを示唆したものといえます。
このレイテンシートレーディングとはどのようなトレードのことを言うのでしょうか。今回はその内容についてご説明したいと思います。
そもそもレイテンシートレードとはどのようなものか
このレイテンシートレードとはFX業者の遅延を狙った取引ということになります。
複数の海外FX業者を利用しますとサーバーの設置位置やトレードする場所等によって同じ通貨ペアでも相場の表示が遅延する業者がでてくるものですが、その遅延を巧みに使って売買するという手法のことをいいます。ただこのトレード手法は人が裁量で自身の視覚でチェックして行ったのではとてもではないですが、できる話ではなく、アルゴリズムを利用することでシステムを開発しMT4ならばEAのような形にして売買を繰り返し瞬間の差を抜いていくような手法になります。
言ってみればFXの裏技的な取引でレイテンシーアービトラージというものも存在するようです。もちろん複数業者を利用したアービトラージも殆どの業者が禁止している行為ですから、決して行わないようにしなくてはなりません。すべての取引をカバー先に出しているような海外FX業者では瞬間的な売買が多発するとうまくカバー先につなぐこともできなくなりますから損失をもたらす原因にもなるため非常に嫌がられる取引手法となっています。
今回はGRMFOREXがこうした禁止通知を出しましたが、ほかの多くの海外FX業者も同様に対応をとっているところが多く、摘発されると口座は否応なく口座は閉鎖され取引は中止に追い込まれてしまいます。
GEMFOREXの場合には一応証拠金は返金してもらえるようですが、強制閉鎖になると一切返金に応じない業者も存在する位ですからいかにこの手の売買手法を海外FX業者が嫌がるのかはよくわかります。
普通の取引をしている限りは問題は生じない
業者によってはスキャルピングによる取引さえひどく嫌がるところもありますが、人が普通に取引している限りにおいては問題が起きることは滅多にはありません。またこうした取引を行うのは相当システム開発に卓越した能力をもった特別な人間ということになりますし、複数の人間がチームを組んで行なっていることも多いようで、業者側でもどうも取引の仕方がおかしいということは必ず認識できるようです。仮に儲かったとしても出金しない限りはその利益を持ち出すことはできないわけですから、相当リスクの高い手法であることは間違いありません。とにかく長く海外FXで取引をおこない利益を獲得していこうと思うのであれば、やはり普通の取引に専念することが確実です。一般のトレーダーは絶対にやらない取引手法ですが、だれか第三者に誘われてこうした取引に加わるようなことがないように十分注意されることが必要です。