2大トレードプラットフォームとは

世界一のシェアを誇る「Meta Tarader」

資産運用に投資を選択した際、株式や投資信託などと共に候補に挙がるのが「FX」(外国為替証拠金取引)です。24時間取り引きが可能なため、本業に忙しい人でも始めやすく、レバレッジを効かせることができるために少額の資金でも大きな取り引きができる点がメリットになります。

さらにFXでも国内FXと海外FXではいろいろな違いがあります。そのひとつがFXをするための「トレードプラットフォーム」です。トレーダーはここでチャートを確認したり、実際に新規エントリーやエグジットを行います。使いやすさはもちろんのこと、トレードプラットフォームの性能でも成果は変わってくるのです。

国内のFX業者を利用した場合、そのほとんどが独自に開発したトレードプラットフォームになります。FX初心者向けに作っているので、どのFX業者もそこまで大きな差はありません。一部、自動売買のためのシステムトレードを採用しているFX業者もありますが、固定されたパターンしかないため複雑にはなっていません。レベルは変わらないが、バラバラなのが国内FXのトレードプラットフォームです。

反対に海外FXの場合は、共通のトレードプラットフォームを使用しています。それが、2005年にロシアのMeta Quotes Software Corpが開発した「Meta Trader4」(MT4)です。世界一のシェアを誇っており、ほとんどのFX業者でMT4が利用できます。むしろMT4が利用できないFX業者を探す方が難しいほどです。ちなみに国内のFX業者でMT4を採用しているのは数社だけですから大きな違いです。

ただし、広く普及したMT4ですが、アップデートは終了しており、旧型の扱いになります。2011年よりMT5が先進機能を付帯してリリースされており、現在もアップデートをしてその利便性を高め続けています。それでもまだMT4ほど普及してはいません。それだけMT4を愛用しているトレーダーが世界中にいるということです。

浸透してきた「cTrader」

このMeta Trader独壇場だったところに登場し、注目を集めているのがSpotware Syatems が2011年にリリースした「cTrader」になります。まだまだこのトレードプラットフォームを採用しているFX業者は限られているものの、最近ではFX中級者や上級者に少しずつ浸透し始めてきているのです。

海外でも採用しているFX業者がまだ少ないぐらいですから、国内でcTraderを採用しているFX業者はありません。だからといって日本語に対応していないわけではありません。しっかり日本語表記ですし、日本時間に変えることも簡単にできます。つまり日本人トレーダーであっても問題なく利用できるトレードプラットフォームなのです。

国内FXはレバレッジが最大で25倍と規定されていますので、500倍といった超ハイレバレッジを効かせてFXをするのであれば、確実に海外FXを選ぶことになります。その時、トレードプラットフォームはMT4(またはMT5)とcTraderのどちらを選ぶべきなのでしょうか?

多数決でしたらMT4の圧勝になりますが、cTraderにはMT4にはないメリットがあります。超ハイレバレッジの場合、ほんのちょっとした違いが結果として大きな違いになります。両者の違いを把握し、できる限り自分のトレードスタイルに合った方を選択すべきです。

今回は2大トレードプラットフォームと呼ばれるMT4(MT5)とcTraderを比較し、どんなトレードスタイルに合っているのかについてお伝えしていきます。

トレーダーはどちらを選ぶべきか

システムトレードがメインのトレーダー

自動売買プログラムの呼び方はそれぞれ異なり、MT4ではEAと呼ぶのに対し、cTraderではcBotsと呼びます。cBotsでもC#というプログラミング言語を使って、自動売買プログラム開発の他、インジケーターの作成やバックテストまで可能なのですが、EAと比較するとプログラム構築の難度が高く、提供されているcBotsも少ないのが現状です。

一方でMT4は世界中のトレーダーが愛用しており、多くのトレーダーが自らEAを開発して提供しています。有料のものもあれば、無料で提供されているものあり、その数はもはや数え切れないほどです。日々どんどん増えているのです。

つまり自動売買プログラムを活用してシステムトレードメインでFXをしたいのであれば、cTraderよりもMT4の方が圧倒的に有利です。VPS(Virtual Private Server)と契約を結べば、より高性能の仮想サーバー内で複数のEAを稼働させることもできます。バックテストが優秀で、自分の理想に見合ったEAをいくつか見つけて稼働させれば、本業で忙しい時間帯も、寝ている時間帯も休みなくEAが収益を膨らまし続けてくれます。まさに不労所得といえるでしょう。

ただし、同じEAでいつまでも成果を出し続けられるわけではありませんので、定期的な見直しや、市場の動向にマッチした新しいEAを導入していく必要はあるでしょう。システムトレードをするからFXの知識が中途半端でいいわけではなく、政治情勢や経済状況に鈍感でいいというわけでもありません。

また、問題点としては、MT4はMQL4というプログラミング言語を使っているのに対し、MT5のプログラミング言語はMQL5と異なるため、MT5ではMT4用のEAが使えません。この互換性の悪さがMT5普及の妨げになっています。MT5用の新しいEAも増えてきていますが、当然のようにMT4では使えませんので、システムトレードメインで行う場合は、MT4とMT5のどちらを利用していくのか決める必要があります。

スキャルピングといった裁量トレードがメインのトレーダー

システムトレードでは遅れをとっているcTraderですが、裁量トレードとなるとそのメリットが発揮されます。cTraderはECN(Electric Communications Network)口座との相性が抜群で、まさにECN口座に特化して開発されたトレードプラットフォームです。FX業者を経由せずにインターバンク市場に直接注文をぶつけられるので、約定の速度ではMT4を上回っています。MT4はスプレッドを上乗せして表示されるようになっているため、市場の本物の価格かどうかもわかりにくくなっています。MT4のように大口の注文になると約定しにくくなるようなこともありません。

また、cTraderは、スタンダード、プライス、VWAP(加重平均価格)といった3つの板情報を確認できるという利点があります。どの価格にどれくらいの注文があるのか、その分布を分析し、市場の流動性を把握しながら取り引きができるのです。

MT4よりも透明性に優れているのがcTraderだといえます。その点で、スキャルピングなどの裁量トレードをメインで行うトレーダーにとってはcTraderが有利です。MT4はポジションをひとつずつ決済していくのに対し、cTraderには一括決済の機能がありますので、よりタイムリーな売買が可能になっています。

このような理由で、あえてcTraderで取り引きをするFX中級者や上級者が増えているというわけです。cTraderは今後もダイレクトマーケットアクセス(DMA)を最大の武器として、ターゲットを絞って提供強化を目指してくるのではないでしょうか。

利用者が多いのはMT4ですが、トレードスタイルによってはcTraderの方が利益を出しやすい可能性もあります。自分がどのようなトレードをしていきたいのかを見つめ直し、それに合わせてトレードプラットフォームを選択するのがいいでしょう。どちらも使ってみて比較しないと実感がわかないのであればどちらも使ってみるべきです。FX口座開設は無料でできますので、ぜひ試してみてください。