なぜ国内のFX業者では約定拒否が発生するのか

日本のFX業者は大半がDD方式

「約定拒否」、「リクオート」、「一方的に不利な方向にだけ滑るスリップページ」、これらはFX(外国為替証拠金取引)を行っていくうえで、トレーダーの利益を削り取るように作用するものです。

国内のFX業者を利用しているトレーダーからは、こういったFX業者の不正関与に対する不満が次々と浮上しています。逆に海外のFX業者を利用しているトレーダーからは、このような不満はほとんど聞かれません。

これは国内のFX業者の大半が、「DD方式」を採用しているからです。DD方式とは、ディーリングデスク、相対取引のことで、OTC取引(Over The Counter)とも呼ばれています。

DD方式のメリットは「スプレッドを極限まで狭くすることができる」という点に尽きるでしょう。それが国内のFX業者を利用しているトレーダーにとって、重要な注目点になっているからです。

しかし、スプレッドを極限まで狭くしてしまうと、FX業者の利益が無くなってしまいます。現代のFXではほとんど手数料が無料化され、スプレッドの差額が実質的な手数料になっているからです。

それではDD方式を採用している国内のFX業者は、トレーダーのためにわざわざ利益を減らし、狭いスプレッドを提供しているのでしょうか?

答えはNOでしょう。国内のDD方式を採用しているFX業者は、スプレッドを狭く設定して集客力を高める代わりに、約定拒否やリクオート、スリップページ、ストップ狩りといったグレーゾーンで利益を出している可能性が高いと考えられています。

DD方式では、トレーダーの利益がFX業者の損失となる

そもそもDD方式とは、トレーダーとFX業者は利益相反の関係になっています。仲介するプロのディーラーは、成果をあげるだろう実績のあるトレーダーの注文はカバー先に流しますが、勝率の低いトレーダーの注文は呑みます。FXはおよそ9割のトレーダーが負ける世界です。ですからDD方式の場合は、あくまでも店頭取引に留め、負けるトレーダーの注文はカバー先に流さず、他のトレーダーの注文とぶつけて相殺するなどするのです。すると仮にトレーダーが10万円負けたら、その損失額が、そのままFX業者の利益になります。スプレッドによる利益は最低限で確保されていれば充分です。それ以上に、呑みによって利益を出していくことができます。

つまりDD方式だと、トレーダーが勝って利益が出ると、FX業者の損失になる傾向が強いのです。そこで、なるべくトレーダーの利益を減らす、できれば損失が出るように約定拒否をしたり、リクオートするといった妨害行為が頻繁になってくるわけです。

特に重要経済指標発表後のボラティリティが高い時間帯や、NY市場がクローズした後の流動性の低い時間帯に、約定拒否が起こるケースが多いようです。

DD方式であればスプレッドが狭いというメリットがある反面、約定力の問題があり、結果としてトレーダーの勝率は下がってしまいます。海外ではスプレッド以上に約定力が注目されていますので、DD方式を採用している業者はほとんどありません。

XM(XMTrading)ではNDD方式を採用

より透明性の高いNDD方式

約定力を高めようと考えると、DD方式ではなく、「NDD方式」(ノーディーリング・デスク)になります。日本人から圧倒的な支持を受けている海外FX業者の代表、「XM」(XMTrading)でももちろんNDD方式を採用しています。

NDD方式は大きく2つに分かれます。ひとつは「STP方式」(Straight Through Processing)で、XMでは「スタンダード口座」と「マイクロ口座」がこちらに該当します。リクイディディ・プロバイダー(LP)から提示された価格の中で、一番安いものにスプレッドを上乗せし、トレーダーの注文をマッチングさせます。STP方式の場合、LPの質と量が豊富なほどトレーダーには有利です。

スプレッドの差額だけがFX業者の利益になります。ですから、トレーダーに勝ってもらい、できるだけたくさんトレードしてもらった方がFX業者にとっては利益を出すことができるのです。つまり、トレーダーとFX業者はWinWinの関係で、トレーダーの妨害になるような約定拒否やリクオートを意図的に行うことはありません。

NDD方式は、STP方式の他に「ECN方式」(Electronic Communications Network、電子通信ネットワーク)があります。XMでは「XM Zero口座」がECN方式です。こちらはトレーダーが電子取引所に直結し、他のトレーダーの注文とマッチングしてトレードしていくことになります。FX業者はアクセスするための仲介だけを行うわけです。そのためスプレッドは極めてゼロに近づきますが、トレーダーは電子取引所に直結してもらうための手数料を支払う必要があります。

NDD方式の中でも、STP方式よりもECN方式の方が透明性は高いといえるでしょう。トレーダーに勝ってもらいたくさんトレードしてもらった方が、FX業者は手数料を受け取れますので、やはりトレーダーとFX業者はWinWinの関係となります。

スプレッドは広がるが、約定力が重要

以上のことからNDD方式を採用しているXMでは約定拒否がほとんどないわけです。XMの注文執行率は99.35%ということで、変動の激しい時間帯にスリップページが発生する割合も少なく、まず希望通りの注文でトレードすることができます。安心してFXに取り組むことができる環境が整っています。

ただし、STP方式ではスプレッドが広めになりますし、ECN方式でも手数料を含めると、国内のFX業者よりも割高になってしまいます。はたしてスプレッドを重視するべきなのか、トレードの透明性を重視するべきなのか、どちらがトレーダーにとってメリットがより大きいのか考える必要があるでしょう。

いくらスプレッドが狭くても、大事な時に約定できない。またはリクオートによって不利な約定になる。それは大きなハンデです。そういったリスクを考慮すると、やはりDD方式よりも、NDD方式の方がトータルで勝てるのではないでしょうか。

海外のFX業者はハイレバレッジだけど、スプレッドが広いから、という理由で敬遠し、国内のFX業者を選択して負けているのであれば、考えて直してみる必要があるかもしれません。FXで勝つために本当に必要な要素は、スプレッドの狭さではなく、約定力の強さだからです。