為替ニュース一覧
12月4日から12月8日の為替ニュースについてまとめています。
中東情勢問題について
トランプ大統領が6日、エルサレムをイスラエルの首都と認定しテルアビブにある米大使館をエルサレムに移転する意向を明らかにしました。
同氏は昨年の大統領選で米大使館のエルサレム移転を公約に掲げていました。
イスラエルのネタニヤフ首相はトランプ大統領の決断に対して深く感謝するとした一方、東エルサレムを首都とする国家樹立を目指すパレスチナ自治政府のアッバス議長は演説で、
イスラエルが全ての協定を否定すると共に国際的な正当性に逆らうことになるとして非難した上で、「地域や世界の治安や和平プロセスに重大な結果を招くことになる」と警告しました。
公約実現を優先したと見られる今回の決定は、トランプ政権を支持している親イスラエルのキリスト教右派とユダヤ系の政治資金を得る目的であるという見方がされています。
これら一連の騒動を受けて東京市場では中東情勢を懸念しドル円が112.10付近まで下落、ユーロドルが1.18台半ばへ上昇するなどリスク警戒ムードとなりました。
米)11月雇用統計について
日本時間8日22時30分に米)11月非農業部門雇用者数が発表されました。
●米)11月非農業部門雇用者数
前回+26.1万人(改訂+24.4万人) 予想+19.5万人 結果+22.8万人
●米)11月失業率
前回4.1% 予想4.1% 結果4.1%
●米)11月平均時給(前月比)
前回0.0%(改訂-0.1%) 予想+0.3% 結果+0.2%
●米)11月平均時給(前年比)
前回+2.3%(改訂+2.4%) 予想+2.7% 結果+2.5%
米)11月非農業部門雇用者数は予想の+19.5万人を上回る+22.8万人となりましたが、注目されていた平均時給は前月比・前年比共に前回の10月からは改善したものの、予想を下回る結果となりました。
平均時給が予想を下回ったことが材料視され、ニューヨーク市場ではドル円が売り優勢となり113.15付近まで下落しましたが、その後米株式市場の堅調な推移を背景に113.45まで値を戻す展開となりました。
英)EU離脱問題について
EU離脱交渉を巡る問題で英国のメイ首相とEUのユンケル委員長は8日、「英国がEU予算(2020年までの編成分)を支払うことや英国に居住するEU市民の在留権、アイルランドとの国境にハードボーダーを設けないこと」で合意に達したとの共同文書を発表しました。
これを背景に市場はポンド買いに反応しましたが、その後売り戻しに転じました。
今後EU首脳会議で各国の首脳が合意を承認すれば、離脱後の双方の関係を協議する第2段階に移る見通しとなりますが、今回の合意では難航していたアイルランド国境問題の具体策が話し合われることはなく、事実上先送りされることとなっています。
米)インフラ整備計画について
トランプ大統領は一般教書演説案でのインフラ整備計画を2018年1月に発表し政策課題を推進し続ける方針を明らかにしました。
この報道を受けて円売りが優勢になりドル円が113.10円、ユーロ円が133.20円台に上昇しました。
同氏は大統領就任後100日以内に1兆ドルのインフラ整備計画を打ち出すことを公約しており、第3四半期までにインフラ整備計画をまとめることを宣言していましたが未だ具体化しておらず、インフラ整備推進派からは税制法案に公共事業イニシアチブを盛り込まなかったことに対し、インフラ整備計画実現の機会を逃したとの指摘が上がっています。
加)政策金利について
カナダ中銀は6日、市場の予想通り政策金利を1.00%に据え置くことを発表しました。カナダ雇用統計が改善し5年振りの強さを示したにも関わらず慎重な姿勢を見せたことが嫌気されカナダドルが急落し、米ドル/カナダドルは1米ドル=1.2807カナダドルで日中安値を付けました。またカナダ円は88.65円付近から87円台まで下落しました。
カナダ中銀は将来的に利上げが必要になる可能性があるとしながらも「引き続き慎重であり続ける」と表明しており、利上げに慎重な姿勢を強調しています。